![]() | MLBが付けた日本人選手の値段 (講談社プラスアルファ新書) 鈴村 裕輔 講談社 2005-11 by G-Tools |
2008年14冊目
この本が出版された当時の状況を鑑みないと、結果がある程度出た後の今現在読めば、どうしても厳しい評価を受ける内容である。
特に、この本のウリの一つが当時今後メジャー進出が予想される日本人選手が金銭的な面も含めてどの程度の評価を受けるかの予想であっただけに、その予想と結果の差が顕著なところが目立って見える。
中村紀や松井稼が大きな期待を裏切った直後でもあっただけに、日本人選手、特に野手に対しての評価が辛いのもいたしかたがない。
しかし、その後、井口が内野手としてワールドチャンピオンに貢献する活躍、城島が捕手として成功などで当時とは評価がだいぶ変わってきている。
また、金銭面ではなんといっても松坂獲得にレッドソックスが投入した金額もあり、活躍が期待できる日本人選手の獲得にメジャー各球団が投入する金額も予想以上に高騰した。
個人的にはこの本の今後の予想的なところはともかく、その段階での日本人選手に対するメジャーの総合的な評価、あるいは日本人選手に求められているものというのはかなり的を射ていたように思える。
結局のところ、誰それが活躍するしないというのは専門家でも頻繁に間違えるように、やってみないと分からない。
どんな日本人選手がメジャーで求めれているか、あるいは高く評価されるかをきちんとした取材のもとに、整理したという意味はあるのだろう。