![]() | 犯人に告ぐ 上 (1) (双葉文庫 し 29-1) 雫井 脩介 双葉社 2007-09-13 by G-Tools |
![]() | 犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫 し 29-2) 雫井 脩介 双葉社 2007-09-13 by G-Tools |
2007年95、96冊目
このミスとかで高く評価されていたのを記憶していたし、映画が下手に話題になる前に読んでおきたかった一冊。
評判が良かったのも頷ける力作です。
テレビを利用した劇場型捜査というアイデアもなかなか良かったが、何と言ってもこの小説が面白いのはやはり歪んだ警察組織の構造と、自らが正義の代弁者であることを疑わないメディアの暴力の構図が描かれていることであろう。
「踊る大捜査線」ばりのキャリア・ノンキャリア問題に代表される警察組織の歪みと、「24」を彷彿させるような組織内部の裏切りと情報漏洩には、主人公の置かれた境遇もあって、思わず感情移入して応援してしまいたくなってしまう。
ちなみに、映画の主人公が豊川悦司なのだが、陰があるが二枚目の役柄としてかなりイメージ近いナイスキャスティングではないかというごく個人的印象。
88点