![]() | 残虐記 (新潮文庫 き 21-5) 桐野 夏生 新潮社 2007-07 by G-Tools |
2007年84冊目
いやー、桐野夏生はすごい!
って、桐野さんの新しい作品を読むたびに言っているような気がするが、毎回読む作品ごとに異なった衝撃を与えてくれる。
この作品も桐野さんらしい毒々しさというか、ダークネスな作品ではある。
しかも、やはり桐野さんらしく罠に満ちているんだよな。
内容は全く異なるかもしれないが、本人不在で話がすすむあたりは『グロテスク』と手法的に近いものがあると思う。素直に記述を信じられないあたりは特に。
そういえば、『グロテスク』は東電OL殺人事件がモチーフになっていたし、この『残虐記』は新潟県で起きた少女監禁事件に触発されているということで、現実の事件から着想を得ているあたりも共通点か。
もちろん、ただ、事件をなぞるようなものでなく、着想を得たうえで、著者独自のストーリーを構築しているあたりは本物の小説家だと感嘆せざるをえないところでもある。
94点


